仮想通貨(暗号資産)の税金の基本、株式投資との違い、注意点

ビットコインなどの仮想通貨への投資をする人が増えてきています。

エルサルバドルでは自国通貨が安定しないため、ビッドコインを法定通貨とすることにしました。

私もブロックチェーンのシステムなどは凄いと思っていますし、仮想通貨に投資する事も考えてはいるのですが、現状では税制が不利ですのでなかなか購入しようとは思いません。

そこで、今回は仮想通貨の売却による税金の基本、株式投資との違い、注意点について説明していきたいと思います。

仮想通貨の税制の基本

雑所得

所得税は所得を10種類に分類しているのですが、暗号資産の譲渡による利益は雑所得に該当する事になります。

総合課税

税金計算は総合課税と分離課税というものに分けることが出来ますが、仮想通貨の譲渡は雑所得の総合課税として課税されます。つまり、仮想通貨の税率は給与が多い人は高く、給与が低い人は低くなるという事になります。

総合課税・・・事業、不動産、給与、雑所得など対象となる所得をすべてを合計して、その合計金額に対して税率が決まり税金を計算する方法です。超過累進税率(5~45%)で所得税率が決まります。

現在の日本の所得税の税率は次のとおりで、住民税は一律10%です。個人の人が支払う税金は原則、所得税と住民税ですので最高税率は45%+10%で55%です。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円を超え 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

 

分離課税・・・他の所得に関係なく、その所得だけに独自の税率を掛けて税金を計算する方法です。不動産の譲渡益は長期20%、短期40%、有価証券の譲渡は20%などと金額に関わらず税率が決まっています。

税金計算の具体例

給与500万円(社会保険料15%、他所得控除なし)、仮想通貨の売却益100万円の場合

① 所得金額・・・給与所得控除後の金額3,560,000円

② 所得控除・・・社会保険料500万円×15%=75万円と基礎控除48万円

③ ①-②=2,330,000円

④ ③の所得税138,300円、

⑤ 仮想通貨の利益が500万円なら、所得金額は3,330,000円

⑥ ⑤の所得税243,500円

⑦ ⑥-④=105,200円が仮想通貨の所得税になります。住民税は利益の10%です。

 

仮想通貨の税金がいくらかかるか試算したのを一覧表にしてみました。

追加税額が仮想通貨の税金と考えて下さい。税金がかなり大きいという事がわかると思います。

給与金額 仮想通貨の利益 追加所得税額 追加住民税額
500万円 100万円 105,200円 100,000円
500万円 500万円 933,600円 500,000円
500万円 1,000万円 2,586,000円 1,000,000円
1,000万円 100万円 230,900円 100,000円
1,000万円 500万円 1,458,100円 500,000円
1,000万円 1,000万円 3,142,800円 1,000,000円

 

株式投資の税制との違い

株式投資は一律20%だが、仮想通貨は総合課税のため最高税率55%

株式投資・・・原則として分離課税で一律20%(所得税15%、住民税5%)と税率が一定である。

仮想通貨・・・総合課税の場合は所得税は5~45%、住民税は一律10%となり所得により税率が変わる。

所得が低い人は総合課税が有利になる場合もあるが、現役で働いている人は分離課税20%の方が有利な場合が多い。

株式投資は損失を繰越出来るが、仮想通貨は損失を繰越し出来ない

株式投資・・・損失(赤字)は3年間繰り越すことが出来て、翌年以降に利益が出た場合、損失と利益が相殺できる。

仮想通貨・・・損失(赤字)は翌年以降に繰り越すことが出来ない。給与などの他の所得とも相殺できない。

例えば、下記のような利益、損失であった場合、仮想通貨は損失を繰り越せないので株式投資に比べて不利だというのがわかると思います。

年度 利益(損失) 株式投資の課税対象 仮想通貨の課税対象
2021 500万円 500万円 500万円
2022 △500万円(赤字) 0 0
2023 300万円 0 300万円
2024 300万円 100万円 300万円

 

 

注意点

仮想通貨同士で同一年の黒字と赤字は相殺できる

損失の繰越しは出来ませんが、同一年であれば仮想通貨同士の相殺(内部通算)は可能です。

例えば2022年にビットコインの利益が500万円、イーサリアムの損失が400万円だとすれば、課税対象となるのは500万円-400万円=100万円となります。

つまり、含み損のある銘柄を損失確定したいのであれば、別銘柄又は別取引所の含み益のある銘柄を利益確定するのと同一年にした方が有利になります。

逆に言うと、2021年にビットコインの利益500万円を確定して、2022年にイーサリアムの損失400万円を確定すると損失と利益が相殺できずに500万円に対する税金だけがかかるという事になります。

仮想通貨で何かを購入した時は売却したとみなされる

500万円の商品の購入の支払いをするのにビットコイン500万円分で支払った場合は500万円でビットコインを売却して、その500万円で商品を購入したとみなされます。

仮にそのビットコインの取得原価が100万円であった場合、ビットコインの利益400万円を利益確定したことになるのです。

この事があるため、仮想通貨は現在の税制では通貨として使えないといえます。

 

他の仮想通貨と交換した場合

ビットコインとイーサリアムを交換した場合なども商品を購入した時と同じように、一度売却してから購入したものとされます。

ビットコイン300万円(取得価額80万円)とイーサリアム300万円を交換した場合、ビットコインを300万円で売却してイーサリアム300万円分購入したとして税金計算されます。

 

まとめ

仮想通貨としては興味があるのですが、現在の税制ではあまりにも不利です。税制が不利でもそれ以上の利益が見込めるのであれば関係なく投資すべきかもしれませんが、現段階ではそこまでして投資しようとは思えないです。

株式は実態のある企業がビジネスを行っており、経済が成長するにしたがって価値が増えていくというのがしっくりと理解できるのですが、仮想通貨は金と同じでそれ自体はなにか果実を生み出しているわけではないと思うと税制の不利と合わせて投資をためらいます。

あくまで個人の感想ですので、不利な税制を理解して投資されるのであればそれはそれでよいと思います。

 

暗号資産に関する税務上の取り扱いについてというものが国税庁より公表されていますので、興味のいある人はご参考にして下さい。

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf