厚生年金、国民年金は何年で元が取れる?

少し前に国民年金の財源が不足するため、厚生年金から財源を振り分ける年金改革案が発表され批判を受けるという事がありました。

国民年金の財源が不足するのは、第三号被保険者制度の問題など様々な要因があると思いますが、今日は掛けた年金は何年間受取ったら元が取れるのかを考えていきたいと思います。

年金の受給金額

①国民年金

令和3年度の国民年金の月額は65,075円、年額にすると65,075円×12ヶ月=780,900円です。

令和2年度は65,141円でしたので少し減少しているのですね。

②厚生年金

65歳以上の場合は基礎部分と報酬比例部分に分かれまして、①+②の合計額が基本的に受取る金額になります。

老齢基礎年金

年額780,900円

老齢厚生年金(報酬比例部分)

平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者の月数

 

年金支払金額と受取金額、何年で元を取れるか

厚生年金の保険料は会社負担分を含めて18.3%、本人負担分は9.15%です。

現実は若いうちは給与金額は少なく、年を重ねるごとに給与金額は増えていきますし、賞与もありますので、平均標準報酬額を計算するのは現実的には少し大変ですが、今回は細かい金額にこだわる話でもありませんので、40年間同一金額であった場合について考えていきたいと思います。

支払金額

①国民年金

16,610円(令和3年度)×12ヶ月×40年=7,972,800円

②厚生年金

平均給与30万円の場合・・・300,000円×9.15%×12ヶ月×40年=13,176,000円

平均給与50万円の場合・・・500,000円×9.15%×12ヶ月×40年=21,960,000円

年間受給金額

①国民年金

780,900円

②厚生年金

平均給与30万円の場合・・・780,900+300,000円×5.481/1000×12ヶ月×40年=1,570,164円

平均給与50万円の場合・・・780,900+500,000円×5.481/1000×12ヶ月×40年=2,096,340円

10~60万円まで10万円刻みで一覧表にしてみました。

平均給与金額 支払金額①
(本人負担分)
年間受取金額② 何年で元を取れるか(①÷②)
国民年金 7,972,800円 780,900円 10.21
10万円(厚生年金) 4,392,000円 1,043,988円 4.21
20万円( 〃 ) 8,784,000円 1,307,076円 6.72
30万円( 〃 ) 13,176,000円 1,570,164円 8.39
40万円( 〃 ) 17,568,000円 1,833,252円 9.58
50万円( 〃 ) 21,960,000円 2,096,340円 10.48
60万円( 〃 ) 26,352,000円 2,359,428円 11.17

この一覧表からわかること

元を取るのに10年程が平均的というところでしょうか。

国民年金は全額自己負担という事もあり、厚生年金に比べて不利ですが、最も効率が悪いと思うのは給与金額が大きい60万円の場合です。

厚生年金は給与金額が低い人の方が、元を取れる年数が短い、すなわち効率が良いという事がわかります。

なぜこのような事になるかと言うと、厚生年金の保険料には基礎年金部分が含まれており、給与が倍になると保険料は倍になりますが、受取年金は基礎年金部分は固定で報酬比例部分しか倍になりません。グラフでイメージすると次のような感じです。

 

 

会社負担分も掛けた金額と考える

上記のケースは厚生年金の本人負担分と受取る年金額を比較して何年で元が取れるかを考えました。

しかし、会社負担分は本当に自分は負担していないといえるのでしょうか?

会社は人件費総額で予算を考えて給与金額を設定していますので、社会保険料がなければ給与はその分増えるはずです。会社負担分の社会保険料も実質的には本人負担とも言えるのではないでしょうか?

また、自身がオーナー社長の場合の会社負担は実質的という言葉ではなく自分の会社で負担していますので、本人負担分も会社負担分も実際に自分で負担しています。

本人負担と会社負担の合計額で何年で元が取れるかを一覧表にしてみました。

平均給与金額 支払金額①

(本人+会社負担分)

年間受取金額② 何年で元を取れるか(①÷②)
国民年金 7,972,800円 780,900円 10.21
10万円(厚生年金) 8,784,000円 1,043,988円 8.41
20万円( 〃 ) 17,568,000円 1,307,076円 13.44
30万円( 〃 ) 26,352,000円 1,570,164円 16.78
40万円( 〃 ) 35,136,000円 1,833,252円 19.16
50万円( 〃 ) 43,920,000円 2,096,340円 20.95
60万円( 〃 ) 52,704,000円 2,359,428円 22.34

平均給与が50万円を超える人は厚生年金を受給して20年以上経たないと元を取れない計算になります。

 

まとめ

年金を支払った金額について、何年受取れば元を取れるかというと、国民年金で約10年、厚生年金の場合だと本人負担分で4~12年程、会社負担を考えると8~23年程になります。

まあ、妥当な年数といえばそうかもしれないですが、厚生年金の給与が大きい人は本当に馬鹿らしいと思います。平均60万円の人は会社負担分と合わせて約5,270万円もの金額を支払って受取れるのはたったの年間236万円程です。

消費税を2%上げるのにマスコミは大騒ぎするのに、社会保険料、厚生年金の料率はいとも簡単に上げられます。

低所得者層、中間層にとって大きな負担なのは税金よりも社会保険料なのです。

社会保険料のシステムがあまりにも不公平でふざけていると思っていますので、まともに支払うのが馬鹿馬鹿しくなります。

社会保険と税金は理論上は違うのかもしれませんが、統一して歳入庁というのを作るのが一番合理的だと思いますし、多くの人が歳入庁に賛成しているのですが、現実的には難しいですね。

 

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私は給料を月額6万円程にして、社会保険料を最低額(健康保険と社会保険の個人と会社負担合わせて約2.3万円)しか支払っていません。

 

本日の内容と被るところは多い記事ですが、宜しければご覧下さい。