S&P500は米国株式市場の動向を表す代表的な株価指数(インデックス)です。
色々なアクティブファンドがありますが、ほとんどがこのS&P500の運用成績に負けています。
今回はこのS&P500がどういった数値なのかとなぜ株式投資はこれだけでも十分といえるのかを考えていきたいと思います。
S&P500の概要
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数です。ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NASDAQに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を基に算出される、時価総額加重平均型株価指数です。米国の大型株の動向を示す指標として機関投資家の運用成績を図るベンチマークとして幅広く活用されています。
「ダウ平均」や「ナスダック総合指数」と並び、米国の代表的な株価指数として知られており、米国株式市場の約80%をカバーしています。
日本ではNYダウの方がニュースでよく取り上げられて有名かもしれません。NYダウは30銘柄からなる指数ですので、500銘柄で構成されるS&P500の方が広範囲に分散されていると言えます。
構成銘柄
私が保有しているS&P500の連動商品ブラックロックのIVVの構成銘柄は次のとおりとなっています。(2018年10月1日現在)
銘柄名 | 業種 | 保有比率 |
APPLE INC | 情報技術 | 4.22% |
MICROSOFT CORP | 情報技術 | 3.59 |
AMAZON COM INC | 一般消費財・サービス | 3.32 |
BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B | 金融 | 1.69 |
FACEBOOK CLASS A INC | 通信 | 1.59 |
PMORGAN CHASE & CO | 金融 | 1.54 |
JOHNSON & JOHNSON | ヘルスケア | 1.52 |
ALPHABET INC CLASS C | 通信 | 1.49 |
EXXON MOBIL CORP | エネルギー | 1.47 |
ALPHABET INC CLASS A | 通信 | 1.46 |
過去の成績

1980年以降はグラフだけでなく年末の指数も確認しましょう。(ウィキペディアより引用)
年 | 年末終値 | 対前年増減率 |
1980 | 135.75 | 25.77 |
1981 | 122.55 | -9.73 |
1982 | 140.64 | 14.76 |
1983 | 164.93 | 17.27 |
1984 | 167.24 | 1.40 |
1985 | 211.28 | 26.33 |
1986 | 242.17 | 14.62 |
1987 | 247.08 | 2.03 |
1988 | 277.72 | 12.40 |
1989 | 353.40 | 27.25 |
1990 | 330.22 | -6.56 |
1991 | 417.09 | 26.31 |
1992 | 435.71 | 4.46 |
1993 | 466.45 | 7.06 |
1994 | 459.27 | -1.54 |
1995 | 615.93 | 34.11 |
1996 | 740.74 | 20.26 |
1997 | 970.43 | 31.01 |
1998 | 1,229.23 | 26.67 |
1999 | 1,469.25 | 19.53 |
2000 | 1,320.28 | -10.14 |
2001 | 1,148.08 | -13.04 |
2002 | 879.82 | -23.37 |
2003 | 1,111.92 | 26.38 |
2004 | 1,211.92 | 8.99 |
2005 | 1,248.29 | 3.00 |
2006 | 1,418.30 | 13.62 |
2007 | 1,468.36 | 3.53 |
2008 | 903.25 | -38.49 |
2009 | 1,115.10 | 23.45 |
2010 | 1,257.64 | 12.78 |
2011 | 1,257.60 | 0.00 |
2012 | 1,426.19 | 13.41 |
2013 | 1,848.36 | 29.60 |
2014 | 2,058.90 | 11.39 |
2015 | 2,043.94 | -0.73 |
2016 | 2,249.26 | 10.05 |
2017 | 2,673.61 | 18.87 |
2000年~2010年はITバブル崩壊、9.11アメリカ同時多発テロ事件、リーマンショックなどの事件があったため上がっては下がってと言う状態でしたが、リーマンショック後は右肩上がりに上昇しています。もちろん、歴史をさかのぼればいつかは暴落が必ず来ます。しかしその暴落を何度も乗り越えてきたのがアメリカ経済なのです。
仮に30年前の1987年に100万円をS&P500対象商品に投資していれば30年後の2017年には10倍以上の1,000万円以上になっています。これが米国市場への長期投資の強さです。
購入できる連動商品
海外ETF
名称 | ティッカー(運用会社) | 信託報酬 |
SPDRS&P500 ETF | SPY(ステートストリート) | 0.09% |
iシェアーズ・コアS&P500ETF | IVV(ブラックロック) | 0.04% |
バンガード・S&P500ETF | VOO(バンガード) | 0.04% |
海外ETFを購入するのには円をドルに替える必要があります。円のまま購入できる証券会社もありますが、所定の為替手数料がかかります。また売買手数料がかかるのもデメリットですがNISA口座で購入する時の買付手数料は無料になっている証券会社は多いです。どの銘柄も取引高や純資産残高はとても多く、個人投資家が売却に困ったり、ファンドが繰上償還されるという可能性は限りなく低いと思います。一旦購入すると毎年の信託報酬は格安ですので、10年以上の長期で保有するのであれば海外ETFが一番良いかもしれません。日本人の個人投資家が購入するのであれば信託報酬の安いIVVでもVOOでもどちらでも良いです。
国内ETF
名称 | 銘柄コード | 信託報酬(税抜) |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 1547 | 0.15% |
SPDR S&P500 ETF | 1557 | 0.09% |
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF | 1655 | 0.15% |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500)為替ヘッジあり | 2521 | 0.15% |
円のまま購入できるのが利点ですが、取引量が少なく流動性が低いのがデメリットです。例えば100万円を超える資金が必要になり急な売却に迫られた時に、なかなか全額売却出来ない事や時価より安く買いたたかれるなどのデメリットがあります。その他、売買手数料がかかりますが、証券会社によってはNISA口座などで無料になる場合もあります。また、繰上償還のリスクもある為、個人的には現状のままではあまりおすすめできません。
国内投資信託
名称 | 委託会社名 | 信託報酬(税抜) |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJ国際投信 | 0.16% |
iFree S&P500インデックス | 大和投信 | 0.225% |
iシェアーズ 米国株式インデックス・ファンド | ブラックロック・ジャパン | 0.375% |
米国株式インデックス・ファンド | ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ | 0.45% |
円のまま購入できますし、売買手数料はかかりません。繰上償還のリスクを避けるためには出来るだけ純資産高の多いファンドを選びましょう。そして同じ指数に連動するのであれば信託報酬は安ければ安い方が良いという事で、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が推奨銘柄という事になります。
私のようにわざわざドルで購入したいという人は海外ETFを直接購入する事はよい事だと思いますが、投資にあまり手間を掛けたくないという人はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を定期的にこつこつと買い増ししていくのが良いと思います。
海外ETFと投資信託についてはこんな記事も書いています。
まとめ
投資の神様ウォーレン・バフェットは、自分が亡くなった後の資産の管理について妻に「資産の90%はS&P500、残りの10%は政府短期国債に投資せよ」と告げたと言われています。
特別の才能のない私達一個人は、市場平均ともいえるS&P500に投資する事は最適解と言えます。S&P500は大型株500銘柄に分散投資されていますし、現在の世界経済はアメリカ中心です。アメリカ一国だけが不安と感じる人もいると思いますが、アメリカ市場だけが暴落して、日本や欧州、新興国は好景気と言うのは現状では考えにくいです。アメリカ市場が暴落すると他の国も暴落する可能性が高いですので、アメリカで分散投資されていればそれで十分分散されていると考える事ができます。
これらの理由などからS&P500一本で投資するという選択肢は合理的だとも考えられます。(おもしろくないかもしれませんが)実際に投資ブロガーの方でS&P500だけに投資しているという人も何人かいるようです。
日本人が投資する時のリスクとして為替リスクがあります。円安で購入して円に戻すときに円高であれば為替で損をすることになってしまいます。しかし、この先長期的に円安になると予測する専門家はたくさんいますが、長期的に円高になると予測する専門家はあまり聞いたことがありません。一時的に円高になり含み損を抱える可能性はありますが、むしろ円の暴落リスクに備えるという意味でも外貨建ての金融商品を所有しておくほうが有意義だと思います。
昔の日本ではアメリカになど簡単に投資する事は出来ませんでした。現在はインターネットが発達して、ETFという素晴らしい商品ができて投資信託の信託報酬はもの凄く安くなりました。こんなに簡単にアメリカをはじめとする全世界に投資出来るなんて夢のような話です。
まだ投資を始めていない人や、日本株にしか投資していない人は一度アメリカ、S&P500に投資する事も検討されてはいかがでしょうか。
関連記事です。
S&P500は大型株ですが、中小株も含めた米国市場全体に投資したいというのであればVTIがお勧めです。
そもそも、投資先としてアメリカ市場がおすすめという記事です。
