今回はバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)について分析していきます。
簡単に言うとアメリカ市場を丸ごと買うETFです。
2018年9月現在、海外ETF保有残高ランキングはSBI証券、マネックス証券で2位、楽天証券で3位になっており日本でもとても有名な海外ETFです。
VTIの概要
VTIは1銘柄で米国市場全体に分散投資できるETFです。グロースおよびバリュースタイルに分散した大型株、中型株、小型株を投資対象とし米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーするという形で約3,600銘柄で構成されています。
ベンチマーク :CRSP USトータル・マーケット・インデックス
経費率:0.04%
ETF純資産総額:974.78億米ドル(約11兆円、2018年6月30日現在)
設定日:2001年5月24日
0.04%と格安の信託報酬で米国市場全体に分散投資できるという事を考えればもの凄く日本で人気があるのもわかります。
保有銘柄
保有上位10銘柄と純資産額に占める割合(2018年6月30日現在) | |
Apple Inc. | 2.9% |
Microsoft Corp. | 2.7 |
Amazon.com Inc. | 2.5 |
Alphabet Inc. | 2.4 |
Facebook Inc. | 1.7 |
Berkshire Hathaway Inc. | 1.3 |
JPMorgan Chase & Co. | 1.3 |
Exxon Mobil Corp. | 1.3 |
Johnson & Johnson | 1.2 |
Bank of America Corp. | 1.0 |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 18.3% |
セクター別の構成比率
金融 | 19.9% |
テクノロジー | 19.9 |
消費者サービス | 13.2 |
資本財 | 12.9 |
ヘルスケア | 12.7 |
消費財 | 8.1 |
石油・ガス | 6.1 |
公益 | 2.9 |
素材 | 2.5 |
通信サービス | 1.8 |
過去の成績

2001年8月56ドルから2018年9月現在の150ドルで約3倍になっています。
2008年のリーマンショック時には大きく下落しましたが、その後順調に回復してリーマンショック前の水準を大きく上回ってずっと右肩上がりです。
設定来のリターンは7.15%、この10年間のリターンは10.33%(2018年6月30日現在)ととてつもないパフォーマンスです。この先もこのパフォーマンスが続く保証はないですが、過去に答えを求めるのであればこの先も期待の出来るETFです。
株価が上がり過ぎて分配利回りが低い(1.71%)のが少し残念なところですが、分配金は毎年増加していますので今後も増配は期待できます。
2018年分配金
日付 | 分配金 |
2018/9/28 | 0.7142 |
2018/6/22 | 0.6034 |
2018/03/22 | 0.5661 |
合計 | 1.8837 |
2017年分配金
日付 | 分配金 |
2017/12/21 | 0.673 |
201/9/22 | 0.553 |
2017/6/21 | 0.575 |
2017/3/24 | 0.542 |
合計 | 2.343 |
2016年分配金
日付 | 分配金 |
2016/12/20 | 0.727 |
2016/9/13 | 0.539 |
2016/6/14 | 0.469 |
2016/3/15 | 0.48 |
合計 | 2.215 |
2015年分配金
日付 | 分配金 |
2015/12/21 | 0.583 |
2015/9/25 | 0.508 |
2015/6/26 | 0.468 |
2015/3/25 | 0.508 |
合計 | 2.067 |
2014年分配金
日付 | 分配金 |
2014/12/22 | 0.561 |
2014/9/24 | 0.465 |
2014/6/24 | 0.42 |
2014/3/25 | 0.423 |
合計 | 1.869 |
S&P500との比較
S&P500に連動するETFとしてSPY、IVV、VOOがありますが、これらのETFとVTIのどちらが良いかというのは良く話題になりますが、SPYは若干高いですがそれ以外のコストは全く同じです。
特徴としてはS&P500は基準を満たした大型企業に投資する事になり、VTIは中小株も含むことが大きな違いですが、過去の成績に大差はありません。どちらが良いかはハッキリいって好みだと思います。
投資の神様ウォーレン・バフェットは個人投資家にはS&P500を推奨しています。米国株ブロガーの方々はS&P500派の人もVTI派の人もどちらもいてますが、若干VTI派の方が多いと感じています。
私はどちらが良いか判断するのが面倒になったので両方購入しています。このVTIとS&P500の二つで米国株式の50%となるように保有しています。
VTIの所感
今後も米国市場の成長が期待できると考えている私にとって、誰かに推奨銘柄を聞かれたらこのVTIも推奨銘柄の一つにあげます。
但し、短期的には下がる可能性がある事、10年20年の長期ではかなりの高い確率で値上がりと増配が期待できるという事も理解していただく必要があります。
どんな投資でも短期間に儲かるものはありません。短期間に莫大な利益がでるようなものは投資でなく投機です。
ゆっくり高確率で財産を増やしたいという人にとっては個別株でなくETFが簡単で、その代表銘柄の一つがこのVTIになるのだと思います。
私もこのVTIを昨夜33株(約5,000ドル=約60万円分)を買い増ししました。

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