PLだけでなくBSをよく見よう、BSの方が重要です。

企業の決算書はPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)(CF(キャッシュフロー計算書)を合わせて財務三表などと呼びますが、CFを含めると難しくなると思いますし、今回はBSの話をしたいのでCFについては割愛させていただきます)があります。多くの人はPLを中心にみていると思いますが、重要度が高いのはBSです。

もちろん、PLで利益が出ていることはとても大切ですが、PLはあくまで単年度の成績ですし、臨時的な収益があって利益が出ているといった事はよくあります。それに対してBSは過去の積み重ねで経営者が作った財政状況です。BSをみれば、会社の規模、資産や負債の中身だけでなく、その会社のビジネスモデルがどのようなものか、経営者がどのような会社にしたいのかがある程度わかります。

普段PLしか見ていない人もBSについてよく見てみると、今までとは違った視点で企業を見ることが出来ますので面白いと思いますよ。

 

BS・PLの関係

BSとは

BSとはBalance Sheetの略で日本語では「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう」と呼ばれるもので、一定時点での企業の財政状況を報告する決算書です。

右側に資金がどこから調達されたのかを示し、その資金が左側でどのように使われているのかを示しています。

重要なのは必ず左右は一致するという事です。「資産=負債+純資産」となります。図に表すと次のような形になります。

資産の例・・・現預金、売掛金、受取手形、棚卸資産、建物、機械、車両、器具備品、土地、有価証券など(主に現金化できるもの)

負債の例・・・買掛金、支払手形、未払金、借入金など(返済が必要があるもの)

資本の部・・・資本金+過去の利益金額の累計額(返済の必要がないもの)

 

PLとは

PLとはProfit&LossStatementの略で日本語では「損益計算書(そんえきけいさんしょ」と呼ばれるもので、企業の一定期間の成績を報告する決算書です。

図で表すと次のような形になります。

 

 

BSとPLの関係

PLの当期利益はBSの純資産になります。つまり会社が利益を出していくと純資産(自己資本)が増えていきます。自己資本は返済不要の資本ですので自己資本の金額が大きいほど優良企業だと言えるでしょう。

 

しかし、赤字が続くと純資産が減っていき、負債が資産よりも大きくなってしまうと債務超過となってしまいます。

 

有名企業のBS(要約のみ)

朝日新聞(純資産が潤沢)

皆さん大好き株式会社朝日新聞社の連結BSは次のとおりです。

数字は下記の36.37ページから取っています。

https://f.irbank.net/pdf/E00718/ir/S100LLIT.pdf

2020年3月末時点で純資産が3,753億円もありました。2021年3月期で441億円の赤字(包括利益は280億円の赤字)を出してしまいましたが、それでもまだ純資産は3,470円もあります。

負債の内訳をみても借入金は80億円程しかどなく、一番大きな負債は退職給付に係る負債で1,267億円と負債の約半分を占めています。言い方は悪いですが、こんなものは実際の経営危機になると退職金規定を変更して減額すれば全額払う必要はありませんし、実質的な負債ではないとも考えられます。

資産は都心の一等地に良い不動産を持っていますので、不動産業として利益を上げていけば本業の新聞事業で少々の赤字が出たところで純資産が近年中になくなって債務超過になることは考えにくいでしょう。

BSだけを見ると超優良企業といえるでしょう。

 

ソフトバンク

ソフトバンクのBSは次のような形になっています。

数字は下記の107.108ページから取っています。

https://cdn.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/security_reports/pdf/sbkk_fy2020_security_reports.pdf?20210708

やはり特徴は借入金が多いところですね。

2021年3月で有利子負債が流動負債で2兆円、非流動負債で3.6兆円、合計5.6兆円もあります。とてつもなく大きい借入ですね。ソフトバンクは積極的に借入をしてその資金で投資をしているというのがわかります。

 

個人的な感想を言えば、朝日新聞はいくら素晴らしいBSであっても新聞業界の将来は明るいと思えないですし、ソフトバンクは孫さん個人的には尊敬する経営者ですが、ソフトバンクというとても負債が大きい会社に投資をしようとはなかなか思えないです。

 

個人に置き換えてみると

これは企業状況をみるだけでなく、個人に置き換えて財産状況を考えても有益です。

例えば不動産をオーバーローンで購入した人

完全に債務超過ですね、こういうローンを組んではいけません。

 

不動産大家など

日本人に多いのが次のような形です、不動産に資産が偏りすぎています。財産は沢山あるのに、お金に困っているという人達は時々います。相続税を払うほど不動産は相続するけど現金預金がないので払えないという話は聞いたことがあるでしょう。

自宅と別に収益不動産があるけれど、年金暮らしで年金だけでは生活できないので収益不動産を手放せないという人もいます。

個人的にはそのような不動産は売却したらよいと思うのですが、親や夫から引き継いだ不動産は売却するのは色々と気持ち的、精神的にも難しいようです。

 

株式投資家

自宅持ちと賃貸と分けて表してみました。

自宅持ちの不動産とローンの大きさが同じになっていますが、これはあくまで一例ですのでご了承ください。

 

私個人が目指すBS

純資産が純粋な財産ですので、純資産の最大化を目指すのが基本的な考え方なのですが、私は純資産の最大化は目指しておらず、現金預金、有価証券のような流動資産を増やしたいと考えています。財産がいくら沢山あっても不動産のように処分に時間と手間がかかるものだとあまり意味がありませんものね。

まあ、そんなことを言いながらもふと不動産を購入する可能性もゼロではありません。人生はまさかの連続ですので。