年収1,000万円は金持ちじゃないし、負担が多いだけで損!

サラリーマンに限らず多くの人がまず憧れる年収1,000万円というと高所得とイメージの人は多いでしょう。

実際に国税庁の日本の民間給与実態統計調査の21ページによると、給与所得者に占める年収1,000万円以上の人の割合は男性で約6.9%、女性では約0.9%、男女合わせた全体では約4.5%と非常に少ないです。

それでは、年収が1,000万円では実際の社会保険税金を引いた手取り金額はいくらになるのでしょうか?そしてそれ以外の負担はどのようなものがあるのでしょうか考えていきたいと思います。

年収1,000万円の手取り金額は?

年収1,000万円、年収800万円、年収600万円の手取り金額を簡単な一覧表にしてみます。実際は社会保険料や生命保険料や地震保険料、寄付金や医療費などによって税金は変わりますが、簡便化するために、社会保険料は年収の15%、生命保険料控除5万円で統一して簡便化します。

妻が専業主婦という家庭で子供が2人という、昔ながらの標準家庭での手取り金額などを考察して本当に使えるお金に余裕があるのか考えていきましょう。

扶養家族が配偶者のみの場合(子供が15歳以下の場合)

年収 1,000万円 800万円 600万円
社会保険料 150万円 120万円 90万円
所得税 68万円 38万円 16万円
住民税 56万円 41万円 27万円
手取り金額 726万円 601万円 467万円

 

扶養家族が配偶者と子供(16歳以上18歳以下)1人の場合

年収 1,000万円 800万円 600万円
社会保険料 150万円 120万円 90万円
所得税 61万円 30万円 12万円
住民税 53万円 38万円 24万円
手取り金額 736万円 612万円 474万円

 

扶養家族が配偶者と子供(16歳以上18歳以下)2人の場合

年収 1,000万円 800万円 600万円
社会保険料 150万円 120万円 90万円
所得税 53万円 23万円 9万円
住民税 50万円 35万円 20万円
手取り金額 747万円 622万円 481万円

 

扶養家族の人数などによって所得税住民税が変わりますが、年収1,000万円の場合の手取りは700万円強しかありません。年収が200万円低い800万円の人との手取りの差額は120万円ほどしかありません。

この700万円強の手取り金額を多いと考えるか少ないと考えるかはその人に価値観だと思いますので一概には言えませんが、年収1,000万円を少し超えたくらいで、自分達は金持ちだと勘違いして高級車に乗り高級ブランドを買い漁り、高級マンションに住んで毎年海外旅行に行き、子供の習い事を際限なく通わせていればお金なんて全く貯まりません。むしろ足らないでしょう。

 

年収1,000万円の世帯その他負担

児童手当のカット

内閣府ホームページによると子供がいると児童手当(0~3歳未満は一律15,000円、3歳~小学校終了までは第1子、第2子10,000、第3子以降15,000円、中学生は一律10,000円)を受け取ることができますが、これにも所得制限があります。所得制限にかかると一律5,000円に減額されます。

年収1,000万円は扶養親族等の人数が3人以下の場合は所得制限の対象になります。

子供の医療費助成

最近では子供の医療費助成がある自治体が増えてきています。市町村によって何歳まで助成するかや自己負担額など異なっていますが、多くの自治体で年収800万円位から所得制限があります。(東京23区は所得制限のない区は多いです)

年収1,000万円の世帯が子供の医療費助成に所得制限を設けている自治体に住んでいると、子供の医療費も通常に支払う必要が出てくるのです。

高校授業料無償化の所得制限

現在は高校の授業料の無償化が行われていますので、公立高校だけでなく私立高校も授業料が原則無料になっています。

しかし、この高校授業料無償化というのも所得制限がありまして、文部科学省のホームページによると市民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額が50万7,000円以上(妻が専業主婦、高校生1人、中学生1人のモデル世帯で年収約910万円以上)の世帯はこの高校授業料無償化の恩恵を受ける事ができないのです。

年収1,000万円の人は高校授業料無償化の恩恵を受ける事が出来ませんので、公立でも私立でも授業料を全額自己負担で支払う必要があるのです。

その他

上記以外でも共働きの場合は保育園に子供を預ける必要がありますが、その保育料も所得によって金額が変わります。上記の制度のように所得制限で一定の金額を超えたらダメといった2段階ではなく、保育認定の保育料は8段階と細かく分かれていますが年収1,000万円の場合は一番高い階層に該当します。

 

所得制限をしている現在の制度は不公平

年収1,000万円だと所得税の税率が高いため税金をより多く納める必要があるのに加えて、子供のいる家庭にとっては児童手当はもらえない、医療費助成は受けれない、高校無償化は対象外とさらに実際に必要なお金は増えていきます。

このような不公平な制度であれば年収800万円程の方が豊かな暮らしが出来るのではないかと思ってしまいます。頑張って稼いでいる人が損をするような世の中のしくみは働く意欲を無くします。現在の日本はそのような制度に近くなってきており、本当におかしいと感じます。

子供が3人いて年収1,000万円の世帯、と子供1人で年収800万円だとどちらが教育費にお金を使えると思いますか?普通に考えたら年収1,000万円で子供3人の方が生活に余裕はないので教育費に充てることのできる金額は少ないです。それなのに年収1,000万円の世帯は所得制限というふざけた制度のせいで補助を受けることは出来ないのです。

なぜ、頑張って勉強して働いて年収1,000万円を稼いでいて税金も多く支払っている人が子供を私立高校に行かせるのが経済的に厳しいため公立高校に行かせて、たいした努力もせずに適当に生きてきて年収も低く税金もほとんど支払っていない人の子供が無料だからと行って私立高校に行かせるというおかしな現象が起きるのでしょう。

しかも、その所得制限も児童手当、医療費助成、高校無償化とそれぞれの制度が複雑怪奇になっており結局幾らの収入以上になるとダメなのかわかりません。実際は収入で判定するのではなく所得で判定する為、生命保険や医療費や寄付金の金額によっても限度額が変わるのですが制度が複雑すぎてほとんどの人は理解できないでしょう。

その所得制限の判定をする公務員の人件費や申請時に所得を確認する書類などを提出する手間がなくなることなどを考えたら、所得制限などなくすのが合理的だと思うのですがいかがでしょうか?所得の多い人はそれだけ高い税率で所得税を支払っているのですからそれで充分でしょう。金持ちにも手当を支給するのかという批判は本当にポピュリズムで最悪です。所得制限をして軽減出来た金額とその審査のためにかかった人件費はどちらが多いでしょう?さらに年収1,000万円の人がそれらのお金が浮いたらそれだけ消費にお金を使いますので経済的にも良いはずです。

 

まとめ

制度については私立高校にそもそも無償化が必要なのかなど私も言いたい事は沢山ありますが、現実的に年収1,000万円を少し超えた程度の人で子供の多い人は本当に大してお金に余裕があるわけではありません。さらに平成30年から夫の年収が1,120万円を超えたら所得税の配偶者控除が少し減り、年収が1,220万円を超えると配偶者控除が一切なくなり手取り金額がまた減少します。(奥さんが税金計算上の扶養家族にならなくなるという意味)

そもそも一人に人間が年収1,000万円を稼ぐのは難しいですが、共働きで夫600万円妻400万円で合計1,000万円の世帯収入というのは十分可能になるでしょう。しかもその方が手取り金額は多いです。その共働きの夫婦は自分達が金持ちだと思うでしょうか?

やはり1,000万円という区切りの良い数字を超えることによって、自分は稼いでいるとか夫は高年収なのでお金は使いたい放題とかわけのわからない勘違いをしてしまうのが人間の本能なのかもしれません。サラリーマンで上位数パーセントの年収1,000万円の収入があった場合でも、それはあくまでサラリーマンの中での上位数パーセントなのです。サラリーマンをしている以上本当のお金持ちにはなれません。本当に稼いでいる人は事業を起こすなどして何千万円、何億も稼いでいます。

少し平均より稼いだり平均より金融資産が多いからといって調子にのって浪費をするのではなく、謙虚な気持ちを持ち続けることが大切なのだと本当に感じます。

 

1 個のコメント

  • 初めまして。
    脱税通報の検索をしていてこちらのブログにたどり着きました。文章量もちょうど良く、わかりやすく、とても読みやすいブログでした。
    生活保護等も税務署のような匿名の通報窓口があると良いですね、こちらを読んで思いました。区役所等は税務署等より身近なので電話や手紙等での通報はやはり躊躇われると思います。
    あと株式投資も私もやっているので興味深く読ませていただきました。現在国内の株のみで投資信託や海外のはやっていないので記事を読ませていただいたのですがやはりよくわからないので自分がしっかりと理解するまではやめておこうと思います。iDeCoも興味はありますが年収も少なく、途中で失業したりなどと考えると今一気が進まずやっていません。現在医療保険も何も入っていないので入ろうかと思っていた所でしたが、未婚で多少貯蓄もあるので…こちらの記事を読んでやめようかと思いましたが、県民共済には入っておこうと思います。
    これからも楽しみに読ませていただきます。

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