厚生年金は多く払うと損!?

厚生年金は多く払えば受給時に多く受け取る事ができます。それは確かに事実です。

従って、老後の為なら多くの保険料を支払った方が得なのかと思うかもしれませんが、そうではありません。

支払う保険料が2倍になっても、受け取る年金は2倍にならないのです。

では支払う保険料と受け取る年金の関係について見ていきましょう。

 

厚生年金の支払時の負担と受取金額

厚生年金の支払時の負担

厚生年金の保険料は月額報酬によって31段階に分かれています。

基本的に報酬月額の18.3%、本人負担は9.15%です。

厚生年金の受取金額

繰上支給や繰下げ支給を行った場合や経過的加算や加給年金等を除いた基本的な支給額は次の①+②の合計額になります。

国民年金部分(老齢基礎年金)

年額779,300円

厚生年金部分(老齢厚生年金)報酬比例部分

平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数

 

40年間同一金額の給料であった場合の試算

現実的には給与金額は増減しますし、賞与もありますので40年間同一金額という事はありえないのですが、いくらの給料でいくら保険料を負担していくらもらえるかを検証してみます。

平均給与20万円の支払額(本人負担分)

18,300円×12月×40年=8,784,000円

平均給与20万円の受取金額

779,300円+(200,000×5.481/1,000)×12月×40年=1,305,476円

平均給与30万円の支払額(本人負担)

27,450円×12月×40年=13,176,000円

平均給与30万円の受取金額

779,300円+(300,000×5.481/1,000)×12月×40年=1,568,564円

他にも給与50万円や給与10万円でも試算して表にしてみました。

平均給与金額 支払金額① 年間受取金額② 何年で元を取れるか(①÷②)
10万円 3,864,960 1,037,126 3.72
20万円 8,784,000 1,305,476 6.72
30万円 13,176,000 1,568,564 8.4
50万円 21,960,000 2,094,740 10.48

確かに給与金額が増えると受け取る年金金額は増えていますが、その増えるペースはゆるやかです。給与が倍になると支払う年金金額は倍になるのですが、受け取る年金額は倍になりません。

なぜ、給与金額が増えると受取金額がそれに比例して増えないかと言うと、厚生年金には基礎年金部分も含まれていてそれは定額だからです。

報酬比例部分の年金額は標準報酬が倍になれば同じように倍になるのですが、基礎年金部分はいくら厚生年金を負担しても全く増加しません。

グラフにしてイメージで考えるのであれば次のような形です。

 

それでは厚生年金は多い方が損?

それはその人の考え方になると思います。増え方は緩やかですが厚生年金が増加すると確かに受け取る年金額は増えるので全く損とは言い切れませんけれども、健康保険が実質的に掛捨てである事を考えると、社会保険料の等級は低いに越したことはないと私は思います。

多くのサラリーマンは問答無用で給料から天引きされていますので、厚生年金の等級はせいぜい算定基礎期間の4~6月に残業を控えるくらいしか自分でコントロールできません。損であろうが得であろうが自分で決める事は出来ません。

しかし、会社を経営している経営者は自分で給料を設定できます。税金の事や生活費を考えたらあまりにも低い給料に出来ないでしょうが、税金を少し余分に払ってでも社会保険の負担を減らした方が結局負担は少なく手元に残るお金は多いというケースもありますので給料はよく考えて決めましょう。

今回試算して感じたのですが、給料50万円で40年間厚生年金を掛けたとしても年間200万円程しか年金もらえないのですね。この場合は所得代替率33%しかありません。現在200万円以上もらっている人も多く見ますが時代が違う事と企業年金が別であるような大きな会社というのは強いと改めて感じました。

現実的に、もっと給料が少なくて公的年金が200万円に届かない人も多くいます。従って、公的年金だけに頼るのではなく、iDeCoや積立NISAを活用して経済的に豊かな生活を送れるように自分で対策をしないといけないという事です。

“税金ゼロ”でお得すぎ! iDeCoとつみたてNISAにダブル投資入門 (扶桑社ムック)

公的年金を支払わずにiDeCoや積立NISAに投資するのは本末転倒です。税金が投入されていて終身で受給できる公的年金をまず活用しましょう。

人生100年時代の年金戦略

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私は社会保険は最低金額しか支払っていません。モラル的にあまり良くないとは思っているのですが違法ではないですし、そもそもこのような不公平な制度を是正しない国が悪いと思っています。せっかくマイナンバーを導入したのですから、給与だけで社会保険を決めるのではなくて総所得から決めるように公平になるように法改正を望みます。