生命保険の平均は?毎月いくら払ってる?そんなに必要ですか?

先日、お客さんから生命保険はみんなどれくらい加入しているものなのですか?と質問がありましたので調べてみました。

公益財団法人生命保険文化センターという団体が3年に1回、「生活保障に関する調査」という生命保険の加入状況等を調査しております。直近では平成28年に調査が行われましたのでその調査の結果を一部抜粋しました。

死亡保障の平均保険金額

死亡保障の平均金額は全体で1,225万円、男性は1,793万円、女性は794万円です。

分布図をみると男性は1,000万円未満が約3割、1,000万円~3,000万円が約3割、3,000万円以上が約3割となっています。

女性は500万円未満が3割強、1,000万円未満で5割強、3,000万円以上は約1割程です。

本来必要な保障金額というのは年齢・家族構成・資産状況等によって個人差がありますので、平均より保障が大きければ問題ないとか、平均より少ないから不足しているとは一概には言えませんが一つの参考資料として活用はできます。

 

支払保険料の平均金額

これは死亡保障の生命保険だけでなく個人年金等も含めた生命保険料の支払金額の平均です。

支払保険料の平均金額が平成10年をピークに年々減少しているのは日本が不景気で保険料にお金を回せないというのが推測できます。

それでも1人平均20万円近い金額の保険料を毎年支払っているのです。夫婦2人の世帯で考えると約40万円ととてつもなく大きな金額です。

 

生命保険の本質と必要な保障

医療保険は不要

保険の本質は「皆で少しずつお金を出し合ってプールし、不幸にも事故に遭った人にそのお金を払い戻す仕組み」で、「少額の保険料で大きな損害に備える」が基本です。

起きる可能性は低いが万が一起きた時の損害が大きく、自分ひとりでは支払いが困難だから万が一に備えて保険会社に手数料を支払って保険という仕組みに参加するのです。

逆に言うと起きる可能性の高いものは、本来保険になじまないのです。保険事故が起こる可能性の高いものは保険料が高くなるか保険金が少なくなります。

例えば入院に備える医療保険ですが、30歳男性で入院給付金が1日10,000円の場合、終身保障終身払込の場合月額3,000円程です。(ネット生保の場合、対面はもう少し高くなる)

30歳から80歳までの50年間支払うと支払保険料の総額は月3,000円×12×50年=180万円です。

ではこの保険でどれくらいの保険金がもらえるのでしょうか?

通常、通算入院限度額は1,000日程としても、1入院の保障日数は60日といったものが多いです。手術30万円とした場合に受け取れる保険金は最大で「1万円×60日+30万円=90万円」です。

現在は手術があった場合でも昔と比べてすぐに退院させられます。1ヶ月も入院する事はほとんどありませんので保険金はもっと少なくなります。

保険事故が起きてもたったこれだけの保険金しか出ないものに保険会社に高い手数料を支払って保険という仕組みで備える必要があるのでしょうか?

日本は高額医療費制度というものがあり、いくら医療費がかかったとしても月額の支払額は一定額(所得によって限度額が異なりますが低所得者の場合4万円以下)を超えるとその超えた部分の金額は健康保険組合から返してもらえるのです。(最初に手続きをすればその限度額までしか支払う必要がない)

また、傷病手当金という制度もあり、けがや病気で会社を休み給与が支給されなかった場合には健康保険組合から給与の約3分の2(非課税なので実質手取りは多い)が支給されます。

これだけ公的な保障があれば、けがや病気についての備えは保険でなくその保険料を貯蓄して備えた方が良いと思うのですがあなたはどう思いますか?

死亡保障は出来るだけ掛け捨て

死亡保障タイプの保険は大きく分けて定期保険と終身保険に分ける事ができます。

定期保険・・・一定の契約期間、保険料は基本掛け捨て、満期保険金はない

終身保険・・・保障が一生涯続く、保険料の払い込みが一生涯続くもの(終身払い込み)と、一定期間で終了するもの(有期払い込み)がある

終身保険というのは貯蓄性の高い商品ですので、同じ保険金額であれば定期保険の方が圧倒的に保険料は安いです。

日本人は掛け捨てが嫌いで貯蓄性の保険を好む傾向があります。この貯蓄性の保険も昔の契約のものはとても利回りの良い商品があったのですが、現在は低金利という事もあり金融商品としてはおすすめ出来るものではありません。例えば、30年後に解約返礼率が120%の保険があったとしても、年間利回りで考えると1%以下です。これであれば自分で株式で運用した方が良いと思います。途中で解約すると元本割れする事も大きなデメリットです。

また、生命保険会社は必要保障額というものを計算してそれだけの保障が必要ですよとあおって生命保険の加入の必要性を説明します。考え方としては合っているのですがほとんどの人が考えていたよりも大きな金額になると思います。現実的にそこまで保険ですべて備えるとなると保険料負担もばかになりませんのであくまで参考資料として活用するのが良いと思います。

最後に

保険は高い買い物です、人生で2番目に高い買い物とも言われています。例えば30歳で結婚してそこから平均金額の年約40万円を約40年間支払うと仮定すると約40万円×40年間=1,600万円もの大金になります。

保険会社は保険料を集めて、その中から自社の人件費や経費、代理店への手数料を支払って残りのお金が保険金の原資になります。ですので、平均すると必ず損をするものなのです。

最近、保険の無料相談をしている店舗が色々なところに出来ています。相談者からお金を取らないという事は保険会社から収入を得ているという事です。という事は、相談者にとって良い保険ではなくて、会社にとって良い商品である手数料の高い保険を勧める傾向にあるといった事も当然知っておく必要があります。

これから保険に加入する事を検討している人は本当にその保険は必要なのかを考えて下さい。現在保険に加入している人も定期的に保険を見直ししてその保障が必要なのかを時々考えましょう。

 

題名はがん保険となっていますが、保険全般、特に医療保険について厳しく書かれています。とても良い本です。そのライフネット生命でも医療保険やがん保険を扱っているというのは皮肉ですがビジネス上扱わざるを得なかった、それだけニーズがあって利益率のよい商品(加入者からは保険料が高く保険金が少ないダメな商品)という事なのでしょう。

がん保険のカラクリ