私の給料は月6万2千円。

私の給料は月額62,000円です。

私は個人事業主で仕事をしているのですが、その仕事のうち一部を自分が設立した法人に外注しています。その法人の給料は自分で決める事になるのですが、負担額を精査するまでもなく、給料は月額63,000円未満で年間65万円以上にするのが有利と判断し月額62,000円にしました。今回は給料を増額するとどれだけ社会保険の負担が増加するか検証してみます。

給料を低く設定している理由

社会保険料の負担が大きい

社会保険料(健康保険・厚生年金)は会社負担個人負担合わせて約30%です。純粋な会社員は半分の15%の負担で済みますが、自営業の場合は会社負担も実質的に自分で払っているのと同じです。

給料が62,000円であれば、支払額が約23,000円ですが、給料を300,000円にすると約90,000円程に増加、給料を500,000円にすると約150,000円にも増加します。

年額と20年掛けた場合の金額を下記の表にまとめました。

給料 62,000円 300,000円 500,000円
月額社会保険料 2.3万円 9万円 15万円
年額社会保険料 27.6万円 108万円 180万円
20年間の社会保険料 552万円 2,160万円 3,600万円

年額の社会保険料や20年掛けた場合を見ると、あまりにも社会保険料の負担が大きいというのがわかると思います。

社会保険料の負担に比べてメリットが少ない

健康保険の金額は掛け捨てのため報酬月額が大きいメリットはほぼありません。ひとつあるとすれば傷病手当金を受給する時は報酬月額を基に金額が決定されるという事ですが、保険料の増加金額に見合う保障とはとうてい思えません。

一方、厚生年金を支払った金額が大きいと年金を受給する時の年金額が増加しますが、保険料が倍になっても受取る年金は倍になりません。ではいくら増加するのでしょう?

定額部分などは増加せずに増加するのは報酬比例部分のみです。報酬比例部分の金額の計算方法は下記の通りです。(日本年金機構ウェブサイト、老齢年金のページより)

報酬比例部分の年金額計算式

仮に20年掛けたとして増加する金額(年額)は、

給料58,000円の場合は58,000円×5.481/1,000×240=76,295円

給料300,000円の場合は300,000円×5.481/1,000×240=394,632円

給料500,000円の場合は500,000円×5.481/1,000×240=657,720円です。

掛けた時の負担の大きさを考えるとと、とてもではないですが負担増に見合った受給額ではありません。

社会保険料支払額は経費又は控除になり法人税所得税の金額を少し減らすことにもなりますが、社会保険料の負担の大きさに比べると大した金額ではないです。

その他

給与を年額65万円以上にするのは給与所得控除といって所得税で給与の概算経費として認められている金額が最低65万円だからです。65万円以下にするとこれを満額使えず無駄な税負担をする事になります。

厚生年金は終身でもらえるため、そこそこの金額支払っていた方が老後は安心して暮らしていけるかもしれませんが、現在の制度ではあまりにも支払うのがバカバカしくなります。こんな事であれば差額を自分で運用して備えた方がよっぽど良いです。

 

社会保険制度は不公平

健康保険によって保険料が違う

中小企業が加入する協会けんぽ、大企業の組合けんぽ、公務員の共済組合などの会社員向けの健康保険があれば、個人事業主などが加入する国民健康保険など色々な種類があり、保険料の計算方法はバラバラです。

個人事業主は社会保険に加入できない

個人事業主は社会保険に加入できないため、基本的には国民健康保険又は国民健康保険組合と国民年金に加入する事になります。

個人事業主でも雇用している従業員は社会保険に加入できるのに事業主が加入できない意味が分かりません。

夫婦で事業をしている場合、バカ高い健康保険料と二人分の国民年金を払う事になるのに、受取れる年金は基礎年金だけです。子供がいないか成人している場合、途中で主人が亡くなっても妻は遺族年金がもらえません。(厚生年金の場合は子がいなくても遺族年金を受給できます)

給料だけで社会保険料が決まる

社会保険料の負担は給料の金額だけで決まります。例えば、不動産収入や配当収入が年間1億円ある人でも、会社を作って給料を6.3万円未満にすれば最低額の金額で健康保険と厚生年金に加入できるのです。

また、在職老齢年金といって60歳以降に働きながら厚生年金を受給する時に給料に応じて年金がカットされるという制度がありますが、この給料というのは社会保険に加入している人にとっての給料なのです。例えば個人事業主として契約して報酬を受け取れば月額100万円でも1,000万円でも年金は一切カットされません。

調査が甘すぎる

年金事務所は時々調査を行います。出勤簿、賃金台帳、終業規則、源泉税納付書などの書類を持参して年金事務所に来てくださいと数年ごとに郵便が届きます。

年金事務所が確認するのは保険料の徴収漏れがないかです。加入義務がある人が未加入になっていないか?届出ている月額報酬に間違いはないか?を調べるのですが、メチャクチャいい加減です。

大企業の調査は私はわかりませんが、中小企業の場合(私の会社も2回調査を受けました)は持参した書類のみを確認して問題なければハイOKです。その出勤簿や賃金台帳が正しいかの裏取りは一切なしです。

標準報酬月額を実際の給料より低く届出しているというのは多くの会社が行っていて過去多くのニュースにも取り上げられていましたが、あのような調査のやり方では不正はまだまだ横行していると思います。

まとめ

今の社会保険制度はあまりにも複雑・不公平で管理も杜撰です。

こんな不公平な制度であれば、社会保険制度をすべてなくしてすべて自己責任で自己負担の方がかえって公平と思うくらいです。もっとシンプルで公平な制度にしてほしいですが、今の日本ではそれは期待できません。私は、逆にその不公平な制度を逆手にとって最小限度の負担になるように給料の金額を決めました。その分税金の負担は増えますが、ふざけた社会保険料を支払うのであれば税金を支払った方がましだと思います。

 

少しボリュームがありますが、社会保障についての良書です。これを読むと社会保険制度はやっぱり必要だと考え直してしまいます。

教養としての社会保障

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